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内藤塾長のインタビュー

――京町家の建築技術の現状は? 京町家っていう建物が新しく新築で建てられるっていうのはすごい難しいハードルがあって、現在の建築の基準法に適合できないからなかなか建てられへん。で、今ある京都市内にある町家がもう4万軒切ってると思います。それを修理するしかないんですよね、改修とか改築とか。家が沈んでるものもあればこけてる(傾いている)ものもあるし、それをグッと持ち上げたり起こしたり、作業が限られてるんです。石の上に建ってる柱が腐ってるところを根継という接ぎ手を使って一本にしたり、部屋の間取りをちょっと変えたいって時は、現場の寸法測って、刻み直して仕口を作って構造を変えたりしていくってことだけでしか技術のスキルが上がらない。もちろん倒れてるのを起こしたり水平が下がってるのをあげたりするのも物凄い難しいねんけど、根本的に木組みをするっていう仕事が改修ではなかなか無いから、建てられる技術は実はないなと。高い改修技術は得られても、そもそも建てられる、ゼロからって技術はないんじゃ無いかなと思い出して。昨今の自然災害で町家が倒れて、本当に建て直してくださいってなった時に、改修はできるんですけど建てることできないんですっていった時に、ほんとに大工さんなの?って話になって。これは将来まずいことになるなって思い出して、町家の塾の発想が出てきたんです。


――町屋建築塾を始められてみて、手応えは? 当初は人数集まるんかなとか思ったけど、ちゃんと集まって開始して、みんなやっぱり墨付、刻み、接ぎ手を学びたいって子が集まってくれたので、まずはよかった。最初の作業の時、ふと離れてみて、これだけ大工がおったらとも思ったし、全員真面目に取り組んでる姿を見て、これは大丈夫、成功するって自信持てました。当初はてこずっていた墨付けや刻みも今では様になってきたし、きれいに掘ることの難しさと向き合いながら成長してくれてると思います。お互い刺激し合って、いい大工さんが本当にここから生まれていくなっていうふうに今思ってます。塾頭の松井さんや斉藤さんがおられるので、生徒たちも真剣に話聞いてるし、良い意味で緊張感持ってやってもらってると思います。 将来彼らが独り立ちするのか、工務店で生涯勤めるのかわからないですけど、やっぱり墨をつけて教えるってことを広げていって欲しいし、また一人で旅立つ人は、自分で墨付をしてゼロから家を建てていける大工さんになって欲しいなと、本当に願います。 ―今後技術を身につけた生徒さんには将来どういう風になって欲しいですか。

将来彼らが独り立ちするのか、工務店で生涯勤めるのかわからないですけど、やっぱり墨をつけて教えるってことを広げていって欲しいし、また一人で旅立つ人は、自分で墨付をしてゼロから家を建てていける大工さんになって欲しいなと、本当に願います。



心町家建築塾 内藤塾長



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